ガス給湯器の号数とは|選ぶポイントや違いを解説

ガス給湯器の号数とは|選ぶポイントや違いを解説

ガス給湯器の号数を選ぶには、家族構成や利用シーンなどから慎重に検討する必要があります。不要な大きさの号数を選ぶと、性能を発揮しきれず無駄になってしまうためです。今回は、既存の給湯器の型番から号数を調べる方法や、家族構成などから号数を選ぶ目安などを紹介します。

ガス給湯器の「号数」とは

ガス給湯器の「号数」はガス給湯器の給湯能力を表わしたもので、「水温 + 25℃」のお湯を1分間にどれだけの量が出せるかを表わします。
例えば、1分間に24リットルのお湯を出せる場合は24号、16リットルなら16号です。
号数が大きいほど給湯能力は高くなるため、一度に多くのお湯を使えます。

号数は家族の人数など、生活環境に合わせて無駄にならない適切なものを選ぶ必要があります。

ガス給湯器の号数の選び方

ガス給湯器の号数を選ぶには、家族構成や利用シーンなどから慎重に検討する必要があります。
不要な大きさの号数を選ぶと、性能を発揮しきれず無駄になってしまうためです。

例えば家庭用給湯器の場合は

のように、ライフスタイルや目的に沿った号数のガス給湯器を選ぶことが重要です。

まずは現在使っている号数を確認する

すでにガス給湯器を設置している場合は、現在使っている給湯器の号数を確認してから検討すると分かりやすくなります。
号数の確認は給湯器の前面または側面に貼ってある型番シールを見て行うことができます。

型番・型式はメーカーにより異なりますが、アルファベットと数字の組み合わせによって構成されている点は共通しており、数字の先頭の二桁が号数を表しています
※給湯器にリモコンが付属している場合は、リモコンではなく本体の型番シールを確認してください。

給湯器の型番の見方(ノーリツの場合)

もし現在使用中の給湯器でお湯の出に困っていないようであれば、同じ号数のものを選ぶと良いでしょう。

使うお湯の量で選ぶ

ガス給湯器の号数は、一般的に次のようなお湯の使用量が目安です。

春・秋は水温17℃で給湯器の設定温度42℃、冬は水温5℃で給湯器の設定温度42℃とした場合
号数 お湯の使用量(春・秋) お湯の使用量(冬) 用途の目安
10号 約10L/分 約5L/分 スポット給湯を使用するのに最適
16号 約16L/分 約11L/分 1年中シャワーの使用が可能
20号 約20L/分 約11L/分 シャワーと給湯の同時使用が可能
24号 約24L/分 約17L/分 冬場でもシャワーと給湯を同時使用が可能

24号はお湯の使用量に余裕があるため、一カ所のみで使用するとパフォーマンスを発揮しきれません。
配管や蛇口、シャワーヘッドの抵抗によって出湯量が制限されてしまうためです。

号数は計算式で知ることも可能

号数は、次の計算式によって計算でも知ることができます。

号数 = {毎分出湯量 × (設定温度 - 水温)} ÷ 25
※一般的に使用するお湯の量を参考にして、毎分出湯量をシャワーで10L、キッチンで5L必要とします。設定温度はシャワー42℃、キッチン35℃とします。

計算式に当てはめてみると以下のようになります。

このように、使うお湯の量がある程度わかれば計算式から号数を確認できます。

家族構成で選ぶ

家族の人数により、ガス給湯器の適した号数はある程度決まります。

一般的な家庭向け給湯器の場合

が適しています。

ただし、給湯器は夏よりも冬の方がお湯を作るため大きなエネルギーを必要とすることを考慮しなければなりません。
夏は水道水の温度が高めなのに対し、冬はかなり下がるためです。

家族構成別おすすめの号数

家庭用ガス給湯器でよく使われるのは、16号・20号・24号です。

16号は複数箇所で給湯するには湯量が足りないため、単身世帯か2人程度の少人数世帯に適しています。ただし、ライフスタイルが異なる3人家族で同時にお湯を使う機会が少ない場合は16号でも対応可能です。

20号はシャワーと給湯など、二カ所同時に使用する可能性が高い2人以上の家族に適しています。
24号は、たとえば4人家族でシャワーと追いだき、さらにキッチンの給湯まで同時使用しても問題ありません。

ガス給湯器の号数を変更する際の注意点

ガス給湯器を交換する際に、現在使用している給湯器の号数をアップまたはダウンさせられます。
ただし、号数を変更できないケースもあるので注意しましょう。

マンションでは号数変更を禁止している場合もある

基本的に24号を20号、20号を16号というように号数をダウンさせることは問題ありません。
しかし、一部のマンションでは16号から20号、20号から24号といった号数アップを禁止している場合があります。
事前に規約を確認するか管理人に問い合わせましょう。

ガス料金は号数ではなくお湯の量で決まる

ガス給湯器は、ほとんど毎日使うためガス代は少しでも抑えたいところです。
ガス代は号数に関わらず、使用したガスの量で決まります。

つまり、お湯を作った量が同じであれば16号でも24号でもガスの使用量は変わらないため、ガス代も同じです。
ただし16号から24号にサイズアップした場合、お湯の出る量が増えるため、意識しないうちにガス代が高くなることはあり得るため、使いすぎに注意しましょう。

まとめ

ガス給湯器の号数について説明しました。
給湯器について何も知らず購入・交換した際に、ライフスタイルと合わない号数を選んでしまう可能性があります。

そうなるとお湯の量が足りないほか、無駄に能力が高くて持て余してしまうかもしれません。
そういったことにならないよう、今回紹介した内容が役立てば幸いです。

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