LED電球の選び方|失敗しないためのチェックポイントを解説

LED電球の選び方|失敗しないためのチェックポイントを解説

「電球が切れたからLED電球に交換しよう」と思ったものの、どういった製品がよいか、購入したけどサイズが合わなくて取り付けられなかった経験はありませんか?LED電球を選ぶ際に失敗しないためのポイントや確認方法を解説します。

「電球が切れたからLED電球に交換しよう」と思ったものの、どういった製品がよいかと困った経験のある方、購入したけどサイズが合わなくて取り付けられなかったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。こちらの記事ではLED電球を選ぶ際に失敗しないためのポイントを解説します。

電球とは?

LEDとは、Light Emitting Diode(発光ダイオード)の略で、LED電球は発光ダイオードを使用した照明器具のことです。

一般家庭用向けには、白熱電球の形や蛍光灯に近い形状をしたLED電球が使われています。口金もこれまで使われているような白熱電球など同じ規格であるため、ご家庭の白熱電球をそのままLED電球に交換して利用することが可能です。

LED電球のメリット

LEDは半導体の仲間です。半導体と同じように消費電力が小さい、寿命が長い、応答が早いといった特徴があります。

LED電球の消費電力ですが、同じ光束であれば白熱電球の6分の1ほどの電力しか消費しません。LED電球1つの定格寿命が40,000時間の場合、1日10時間使用で10年持つ計算です。応答が早いため、すぐに明るくなる特徴もあります。
また、LED電球は供給される電力のほとんどを発光に使うことから発熱しない、目に見えない紫外線を発しないことから紫外線に引き寄せられる虫が来ないという特徴もあります。

さらに、鉛や水銀といった環境負荷物質を含まず環境に優しいという点もメリットです。

白熱電球との違い

白熱電球はフィラメントに電気を通し、発熱させることで発光させます。

使用される電力の多くが発熱に使われるため、白熱電球が点灯するときの表面温度は100~180 ℃と高温になります。照明の数が多いと、室温に大きな影響を与えます。対して、LED電球の点灯時の表面温度は50℃程度です。

白熱電球は、LED電球よりも軽量です。一般的なE26口金の白熱電球は30g程度であるのに対し、LED電球は100g程度です。このため、照明器具によっては白熱電球しか使えないものもあります。

LED電球を選ぶ前に確認するポイント

家庭の電球が切れたため新しくLED電球を買ってきたところ、口金が合わなくて取り付けられない、前ほど明るくない、明かりをつけたとき見た目の印象が前と違うという事態が発生したことはありませんか?

電球選びを間違えると、すぐに取り換えられなかったり、明るさの印象が違うと感じたりすることがあります。これらを防ぐためのポイントを3点紹介いたします。

口金サイズが取り付け口に合っているか

口金とは、照明器具に取り付ける電球の金属部分のことです。サイズが照明器具の取り付け口に合っていないと、取り付けられません。

E26口金とE17口金のサイズが主流で、E26はメインライトなど一般電球やボール電球に、E17口金は間接照明やダウンライトなどに使用されます。

ほかにも、E12口金やE11口金というサイズもあります。「26」という数字は口金の直径を示しており、交換したい白熱電球の口金の直径が26 mmならE26口金を、17 mmならE17口金を選びます。

照明器具の仕様に対応しているか

交換したい照明器具の仕様を確認することも必要です。

密閉型は浴室の照明器具など、電球部分が囲われているものです。このタイプの照明器具は、密閉型器具対応のLED電球を選ぶ必要があります。
LED電球は熱をあまり発しませんが、接続されている機器は電気を流すことで熱を発し、この熱がこもることでLED電球の寿命が縮むことがあるためです。

シャンデリアやスポットライトなど調光機能がある照明器具には、調光器対応のLED電球を取り付けます。調光器対応でないLED電球を使用すると、電球の寿命が短くなることが見込まれています。

ダウンライトや反射板の枠にSマークがついている場合は、断熱材施工器具対応のLED電球を取り付ける必要があります
天井に敷き詰められた断熱材を持ち上げるようにして照明器具が取り付けられているため、対応していないLED電球では放熱が妨げられ、電球の寿命が短くなったり熱で火災の危険が起こったりするためです。

玄関や屋外入り口付近、トイレなど自動で点灯して欲しい場所は、人感センサー付きのLED電球がおすすめです。人の動きを感知すると自動で点灯し、人がいなくなって一定時間たつと自動で消えるため電気代の節約も見込まれます。子供や高齢者がいる家庭にもおすすめです。

現状使用している電球を確認しておく

「LED電球にしたら暗くなった」とならないためには、今の電球の明るさを型番で確認しておきましょう。

外した電球のガラス部分か口金部分に型番があります。白熱電球は最初のアルファベットがランプの形状です。アルファベットに続いてボルト数(100Vなど)、ワット数(40W、60Wなど)が記載されています。このワット数を確認します。

電球型蛍光灯の場合、最初のアルファベットは点灯形式を表しています。その次の10などの数字が明るさを表しており10が40形相当、15が60形相当の明るさです。

LED電球の選び方

LED電球を選ぶ際、口金など前述の確認ポイント以外にも気をつけることがあります。

明るさを選ぶ

LED電球の明るさは、全光束という光源から出てくるすべての光の量で表され、単位はルーメン(lm)です。白熱電球などはワット数(W)で表されていたものであり、白熱電球などは消費電力が大きいほど明るいことから、ワットが明るさの基準となったことによるものです。
ルーメンの値は、LED電球のパッケージに記載されています。一方、ルーメンとワットで単位が違うと、どのLED電球を買えばよいのか迷うこともあります。

例としてE26口金の明るさの目安を紹介いたします。

LED電球の明るさの目安

商品によっては、パッケージに60 W相当といった記載があります。これは、白熱電球の60形と同じ程度の明るさであるという表示のため、参考にすることも可能です。
一方で、メーカーや商品によっても多少明るさが違うことがあります。

光の広がり方を選ぶ

LED電球の光は直進する性質のため、LED電球は白熱電球と比べて明るく照らす角度が小さいとされていました。明るく照らせる角度を配光角、光の広がり方を配光形といいます。

最近ではLED電球の配光角を広げた商品も多く、配光角の違いによっていろいろな用途で使えます。

配光角220-350°の電球

白熱電球と同様に全方向を照らすため、ダイニングやリビングなどのさまざまな場所での使用が可能です。シャンデリアなどに向いています。

配光角180-220°の電球

水平方向までを照らし、玄関やダウンライトなどに向いています。電球の上を明るくできませんが、その分配光角が広い電球よりも手ごろな価格です。ペンダントはこちらがおすすめです。

配光角120°前後の電球

配光角が小さく、下方しか照らしません。トイレなどの狭い個室、デスク用などスポットライトや下向きのダウンライトに向いています。

光の色を選ぶ

LED電球を選ぶときは光の色も選べ、昼光色、昼白色、白色、電球色といった4つの色が展開されています。

昼光色

青みを帯びた色で、昼白色よりも明るく感じられます。勉強をする子供部屋や、読書をするための書斎に向いています。

昼白色

自然な白い光の色で、洗面台やキッチンに向いている色です。

白色

電球色と昼白色の中間の光の色で、落ち着いた色ですが、明るさもあり、リビングに使われる方もいます。

電球色

電球に似たオレンジ色の温かい色合いの光の色で、落ち着いた雰囲気が出せるため、寝室など寛ぎための部屋の明かりとして使用されます。

また、演色性もLED電球の選び方のひとつです。演色性とは、光によるものの見え方の違いを指します。自然光が当たったときの色をRa100として、どれだけ再現しているかの指標です。
蛍光灯の演色性はRa60程度ですが、LED電球ではRa80以上のものを選ぶことをおすすめいたします。Ra90以上であれば、より一層本来の色合いを楽しむことも可能です。

このように、お部屋の用途に合った光の色や平均演色評価数を選ぶとよいでしょう。

用途を考えた形状を選ぶ

LED電球には多くの形状があります。ここでは一般電球、小型、ボール形について紹介いたします。

一般電球

E26口金で白熱電球のような形をしているのが一般電球です。白いガラスのタイプと透明なガラスタイプがあり、いろいろな場所で使用されます。

小型電球

E17口金のLED電球が小型電球で、ミニクリプトン電球などの代わりに使用します。

ボール形

電球部分が口金に対して大きく膨らんだボールのような形状で、部屋全体を明るくできます。

LED電球を選ぶ際に知っておくと便利な情報

型番やパッケージには知っておくと便利な情報が記載されています。

型番の見るとスペックが分かる

LED電球の型番の見方はLDから始まり、3文字目で電球の種類を表しています。

Aが一般電球や小型電球、Gがボール電球といった具合です。

その次の数字が消費電力、続いてアルファベットで光の色を表します。

Dが昼光色、Nが昼白色、Wが白色、Lが電球色です。

次にGと表示されていると、Ra90以上の演色性を示しています。それ以下の場合は表示がありません。

演色性のあとのアルファベットは配光角を表します。Gは全配光です。

続いて口金のサイズで、記載がない場合はE26口金です。

最後に調光器対応かどうかといったスペックを表示している商品もあります。

パッケージの見方

LED電球のパッケージの表示例

パッケージには調光器対応や断熱材施工器具対応など、照明器具の仕様に対する情報がわかりやすく記載されています。

ほかにも明るさや色、演色性、配光角、おすすめの照明器具なども記載されているので、まずはパッケージを確認するとよいでしょう。

まとめ

LED電球ついて、選ぶ前のポイントから実際の選び方、知っておくと便利な情報について紹介しました。LED電球は明るさや色味も選べ、かつ消費電力も少なく環境に優しい、長持ちするといったメリットがあります。LED電球に変えられる際は、今回紹介したことを参考に、お住まいにぴったりのLED電球を選んでみてください。

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