給湯器のガス代が高くなりやすい理由
給湯器のガス代が上がる背景には、使い方と機器そのものの性能が深く関係しています。給湯器は家庭内でもエネルギー消費が大きく、使い方や機器の状態によってガス代に大きな差が生じます。まずは、ガス代が高くなりやすい代表的な理由を順番にみていきましょう。
お湯を使う回数・温度設定の影響
給湯器の役割は、水を設定温度まで加熱することです。そのため、お湯を使う回数が増えるほどガス代は高くなります。さらに設定温度が高いほど、水温との差が大きくなり、その分だけ多くのガスを使って加熱する必要があります。
たとえば、42℃設定でシャワーを使用した場合と、38℃設定で使用した場合では、同じ使用時間であっても消費されるガス量には明確な差が生じます。とくに、冬場は水道水の温度が低下するため、給湯器はより多くのガスを使って加熱を行うことになり、結果としてガス代が上がりやすいです。
また、短時間であってもお湯を出したり止めたりする回数が多いと、その都度給湯器が着火と停止を繰り返すため、燃焼効率が低下します。こうした何気ない日常動作の積み重ねが、気づかないうちにガス使用量を増やし、毎月のガス代を押し上げているケースが多いです。
給湯器の経年劣化による効率低下
給湯器を長期間使用することで、内部に搭載されている熱交換器やバーナー、配管部品などが少しずつ劣化し、購入当初と比べて熱効率が低下していきます。熱効率が落ちると、設定した温度までお湯を加熱するために必要なガス量が増え、その分ガス代も高くなります。
以前よりも、お湯が設定温度に達するまで時間がかかるようになった、シャワー使用中に着火音や燃焼音が頻繁に聞こえるようになったと感じる場合は、給湯器の燃費が悪化している可能性があります。
とくに、使用開始から10年前後を超えた給湯器は、外見上は問題がなくても、性能が低下しているため、目に見えない形でガス消費量が増えている点に注意が必要です。この状態で使い続けると、日々節約対策を行ってもガス代は下がりにくくなります。
従来型給湯器はエネルギー効率が悪い
従来型の給湯器は、ガスを燃焼させて排気熱をそのまま屋外へ放出する構造でした。そのため、投入したエネルギーを十分に活用できないという特徴があります。本来であれば再利用できる熱まで捨ててしまうため、同じ量のお湯を作る場合でも必要となるガス量が多くなり、その分ガス代が高くなりやすいです。
とくにシャワーや入浴、キッチンでの給湯を頻繁に行う家庭では、この熱効率の差が月々のガス代に大きく影響します。また、従来型給湯器は部分的な負荷変動への対応力が低く、少量のお湯を何度も使うような使い方では燃焼効率が低下しやすい傾向があります。
その結果、節水や温度調整といった工夫を行っていても、給湯器そのものの性能が原因となってガス代が思うように下がらないケースも多いです。
給湯器のガス代節約術【浴室編】
浴室は、家庭のなかでも給湯器の使用頻度が高く、ガス代に与える影響が大きい場所です。シャワーや入浴は毎日の習慣になっているため、使い方を少し見直すだけでも、月々のガス代に確かな差が生まれます。無理な節約をする必要はなく、快適さを保ちながら実践できる対策を意識することが重要です。
設定温度を見直す
浴室の給湯温度は、一度高めに設定するとそのまま使い続けてしまいますが、この温度設定がガス代に大きく影響します。給湯器は水を設定温度まで加熱する際にガスを消費するため、設定温度と水温の差が大きいほど、ガス使用量が増加します。
たとえば、42℃と38℃ではわずか4℃の差に感じられますが、毎日のシャワーや入浴で積み重なると消費ガス量には明確な違いが生じます。とくに冬場は水道水の温度が下がるため、必要以上に高い温度設定にしていると、給湯器が常に高負荷で稼働する状態になります。
一般的には、38〜40℃程度が理想です。現在の設定温度を確認し、少し下げるだけでもガス代の節約につながります。家族全員が同じ基準温度で使用するように決めておくことも、無駄な温度変更を減らすうえで有効です。
シャワー利用時間を短縮する
シャワーは、浴室のなかでもとくにガスを消費しやすい使用方法であり、利用時間がそのままガス代に直結します。一般的なシャワーは、1分間に約10リットル前後のお湯を使用するとされており、10分間使用するとそれだけで大量のお湯とガスを消費します。
シャワーを浴びている時間には、体や髪を洗っている間など、実際にはお湯を出し続ける必要がない時間も含まれています。不要な場面でシャワーを止めるだけでも、ガス使用量を確実に減らせます。
また、シャワー時間が長くなりやすい家庭では、使用時間を意識するだけでも有効です。1人あたり数分短縮するだけでも、家族全体で見れば月単位でのガス代削減につながります。
浴槽の追い焚き回数を減らす
浴槽の追い焚きは、すでに温まっていたお湯を再び設定温度まで加熱する必要があるため、エネルギー消費が大きい運転といえます。一度お湯が冷めてしまうと、追い焚きのたびに給湯器は高出力で燃焼を行う必要があり、その分だけ多くのガスを消費します。
入浴時間が家族ごとにばらばらな家庭では、入浴のたびに追い焚きを行うことになり、知らないうちにガス代が大きく増えているケースも多いです。さらに、追い焚きは短時間で温度を上げるため、給湯器の稼働負荷も大きく、結果として燃焼効率が下がりやすい特徴があります。
対策としては、できるだけ続けて入浴することを意識し、家族の入浴時間を近づけることが効果的です。また、浴槽のフタをこまめに閉めることで放熱を抑え、お湯が冷めにくい状態を作ることも重要です。家族間のコミュニケーションが、ガス代の節約に直結します。
節水シャワーヘッドを活用する
節水シャワーヘッドは、吐水口の穴の形状や水の流れを抑えられる構造になっています。使用する水量を抑えながらも、十分な水圧を感じられるように設計されているため、シャワーの勢いを落とすことなく、自然な形でお湯の使用量を減らすことができます。
お湯の使用量が減れば、その分だけ給湯器が加熱する水の量も少なくなり、結果としてガス消費量の削減につながります。とくに毎日シャワーを使う家庭では、1回あたりの節水効果が小さく感じられても、月単位・年単位で見るとガス代に大きな差が生まれます。
また、節水シャワーヘッドは取り付けが簡単な製品が多く、工具を使わずに交換できる場合もあるため、初期費用と手間を抑えながら導入できる点も大きなメリットです。日々の入浴習慣を大きく変えることなく、無理なくガス代の節約を続けられる方法として、浴室で取り入れやすい対策のひとつといえます。
給湯器のガス代節約術【キッチン編】
キッチンは、浴室ほどガス代を意識しにくい場所です。しかし、毎日の調理や食器洗いで頻繁にお湯を使うため、給湯器のガス代に影響します。使い方の癖がそのままガス消費量につながるため、習慣を見直すことで無理なく節約効果を得ることができます。
まとめ洗いで給湯回数を減らす
キッチンでのガス代節約において効果的なのが、給湯器を稼働させる回数を減らすことです。食器や調理器具を使うたびに少量ずつ洗っていると、その都度給湯器が着火してお湯を作るため、少ない水量でも一定量のガスが消費されます。
この「少量×回数」の積み重ねが、ガス代を押し上げる大きな原因です。調理中に出た食器をその場で洗うのではなく、ある程度ためてからまとめて洗うことで、給湯器の着火回数を抑え、効率よくお湯を使うことができます。
とくに朝食・昼食・夕食ごとに細かく洗っている家庭では、洗い物のタイミングを意識的にまとめるだけでも、月単位でのガス消費量に差が出やすくなります。無理にため込みすぎず、自分の生活リズムに合った「まとめ洗い」を習慣化することが、継続しやすい節約につながります。
温度設定を切り替える
キッチンの給湯温度は、浴室と同じ高温設定にしている家庭も多いです。しかし、日常的な食器洗いではそこまで高い温度は必要ありません。給湯器は設定温度が高いほど、水道水との温度差を埋めるために多くのガスを使う必要があります。そのため、常に高温設定にしていると、ガス消費量が増えやすくなります。
油汚れが少ない日常的な洗い物であれば、低めの温度設定でも十分に対応できます。普段は低温設定にしておき、フライパンや鍋など油汚れが多い場合のみ、一時的に温度を上げるといった使い分けを行うことで、無駄なガス使用を防ぐことができます。
毎日使うキッチンだからこそ、温度設定を見直すだけでも給湯器の稼働負荷が軽減され、ガス代の節約効果が積み重なっていきます。
食器洗いの予洗いは冷水で行う
食器洗いの際、最初からお湯を使って予洗いを行っていると、その時点で給湯器が稼働し、ガスを消費することになります。食べ残しや軽い汚れであれば、冷水でも十分に洗い流すことが可能です。
予洗いを冷水で行い、汚れを大まかに落としてから本洗いのみお湯を使うようにすることで、給湯器の稼働時間を短縮できます。この使い分けをするだけで、ガス消費量を確実に抑えられます。
とくに、一日に何度も食器洗いを行う家庭では、予洗いでお湯を使わないだけでも、月々のガス代に明確な差が出やすいです。小さな工夫ですが、毎日の習慣として続けることで、無理なくガス代の節約を積み重ねることができます。
給湯器のガス代節約術【共通編】
給湯器のガス代は、浴室やキッチンといった使用場所だけで決まるものではなく、日常的な操作方法や契約内容、給湯器そのものの性能によっても大きく左右されます。共通して実践できる対策を理解し、生活全体でガス消費を抑えることが、無理のない節約につながります。
使用しない時はスイッチを切る
給湯器は実際にお湯を使っていない時間帯でも、待機電力(待機状態)として電力やガスを消費している場合があります。リモコン操作が常時オンになっている状態では、凍結防止機能や内部制御のためにエネルギーが使われ続けることがあります。
そのため、長時間外出する日や旅行などで丸一日以上お湯を使わない場合は、給湯器のスイッチを切ることで無駄な消費を防ぐことができます。また、日中仕事や学校で家を空ける時間が長い家庭でも、使用状況に応じて電源管理を意識することで、ガス代の削減につながります。
ただし、頻繁なオンオフが推奨されない機種もあるため、取扱説明書を確認しながら、使わない時間が明確な場面でスイッチを切ることがポイントです。こうした小さな管理の積み重ねが、年間を通じたガス代の節約につながります。
ガス料金のプランを見直す
ガス代を抑えるためには、給湯器の使い方だけでなく、契約しているガス料金プランが、現在の生活スタイルに合っているかを確認することも重要です。ガス会社によっては、使用量に応じて単価が変わるプラン、電気とのセット割引、特定条件で適用される割引制度などが用意されています。
現在のプランが、過去の生活スタイルのままだと、無駄に高い料金を支払っている可能性があります。過去1年分の検針票を確認し、月ごとの使用量や料金を把握したうえで、より条件に合ったプランがないかを検討することが大切です。
プランを見直すだけで、給湯器の使い方を変えなくても毎月のガス代を下げられるケースもあります。
給湯器を買い替える
日々の節約対策を実践してもガス代が思うように下がらない場合、給湯器そのものの性能が原因になっている可能性があります。使用開始から10年以上が経過している給湯器は、内部部品の劣化により熱効率が低下し、以前より多くのガスを消費していることがあります。
この状態では、節水や温度設定の見直しといった努力をしても、ガス代削減には限界があります。高効率な給湯器に買い替えることで、ガス消費量を根本から抑えることができ、長期的には光熱費の負担軽減につながります。
給湯器の買い替えは、初期費用が発生しますが、毎月のガス代が下がることで、結果的にコスト回収が期待できる点がメリットといえます。給湯器の使用年数が長い場合は、修理を繰り返すよりも買い替えを検討するのが望ましいです。
給湯器の種類でガス代は大きく変わる!
給湯器のガス代を本格的に節約したい場合、日々の使い方だけでなく、使用している給湯器の種類に目を向けることが重要です。給湯器は機種ごとに熱効率が大きく異なり、この効率の差が毎月のガス代に直接影響します。機器を見直すことで、ガス代の負担を根本から軽減できる可能性があります。
熱効率の違いがガス代に直結する
給湯器は同じ量のお湯を作る場合でも、熱効率が低い機種ほど多くのガスを消費します。従来型の給湯器は、ガスを燃焼させた際に発生する排気熱をそのまま外に逃がす構造のため、投入したエネルギーを十分に活用できません。
その結果、必要以上にガスを使ってお湯を作ることになり、ガス代が高くなりやすい傾向があります。一方で、エコジョーズなどの高効率給湯器は、排気熱を再利用して水を温める仕組みを備えており、少ないガス量で効率よくお湯を作ることができます。
この熱効率の差は、毎日のシャワーや入浴、キッチンでの給湯を通じて積み重なり、月単位・年単位で見るとガス代に大きな差となって表れます。
10年を超えた給湯器は燃費が悪化
給湯器は使用年数が長くなるにつれて、内部の熱交換器やバーナーが劣化し、徐々に燃費が悪化していきます。経年劣化によって熱交換効率が落ちると、設定した温度までお湯を加熱するために必要な時間が長くなり、その分ガス消費量も増えます。
以前よりもお湯が出るまでに時間がかかる、使用中の着火回数が増えたと感じる場合は、燃費が低下しているサインです。使用開始から10年を超えた給湯器は、見た目に問題がなくても性能が落ちているケースが多いです。この段階では、修理を繰り返すよりも、燃費性能の高い給湯器への買い替えを検討したほうが、長期的なガス代節約につながることがあります。
設置環境に合わせて最適な機種を選ぶ
給湯器は性能が高ければよいというものではなく、設置環境や家庭の使用状況に合った機種を選ぶことが重要です。家族の人数や同時にお湯を使う頻度に対して、機種の能力が適切かどうかの確認が必要です。そうしないと、給湯器が常に高負荷で稼働し、結果としてガス消費量が増えてしまう結果になります。
逆に、必要以上に性能の高い機種を選んでも、無駄なエネルギー消費につながることがあります。設置場所の条件や機能を選ぶことで、給湯器を効率よく運転でき、ガス代の無駄を抑えることが可能です。
給湯器選びの段階で環境に合った機種を選ぶことが、長期的なガス代節約のポイントになります。
ガス代を節約するには、どの機種を選べば節約につながるのかを知ることから始めなければいけません。この機会に、ぜひご自身の環境にあう給湯器をみつけてください。
まとめ
給湯器のガス代は、日々の使い方だけでなく、給湯器の性能や契約内容によっても大きく変わり、使い方を見直すことで無理なく節約できます。しかし、長年使用している給湯器の場合は、機器そのものがガス代高騰の原因になっていることがあります。
節水や温度調整、プラン見直しといった対策を実践したうえで、それでもガス代が高いと感じる場合は、性能のよい給湯器への買い替えを検討することが、長期的な負担軽減につながります。
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