マンション・アパートのEV充電器設置には補助金が活用できる
マンションやアパートにEV充電器に設置を検討する際に、まず気になるのは費用面ではないでしょうか。相場がわからない、高額なのではないかと心配な方もいらっしゃるでしょう。
実は、EV充電器を設置する費用は国からおりる補助金を活用することで、全額負担する必要がなくなります。実際に申請が通れば、負担額はかなり少なくなるでしょう。それぞれ上限はありますが、国の補助金を利用することで充電設備については最大50%、工事費については最大100%が補助の対象となります。
ただし、すでに予算額を超えた申し込みがあった場合は受付を終了している可能性もあります。予備費や補正予算の動向については、最新の情報を常に意識しましょう。場合によっては、自治体の補助金を併用できる可能性もあります。たとえば、東京都などは国と自治体、両方の補助金を併用できるため、ふたつを活用できれば負担額はさらに少なくなります。
マンション・アパートにEV充電器を設置する方法
賃貸アパートは個人の判断ではEV充電器の導入ができないため、居住者は簡単にEV充電器の設置ができません。賃貸アパートのオーナーや管理会社に無断でEV充電を取り付けてしまうと基本的に規則違反となるため、まずはオーナーや管理会社にEV充電器の設置を提案する必要があります。また、EV充電器を個人で設置したとしても、退去の際、EV充電器をどうするかなどの問題が発生する可能性もあります。
次は、マンションやアパートにEV充電器を設置する際の流れや方法を解説します。のちのち問題にならないよう参考にしてください。
オーナーや管理会社から許可をもらう※賃貸マンションの場合
賃貸マンションの場合、マンションオーナーやアパートオーナー、さらには管理会社に許可無くEV充電器を取り付けることは、基本的にNGです。
まずは、賃貸マンション・アパートのオーナーや管理会社にEV充電器の設置に関する要望があることを伝え、設置に対するメリットや費用面などを明確に提案する必要があります。その後、オーナーや管理会社から許可が降りれば、EV充電器の設置へ具体的に動き出すという流れになります。
理事会や総会で決議を通す※分譲マンションの場合
分譲マンションへEV充電器を設置する場合は、管理組合をとおして総会や理事会にてマンションの住民全体の同意を得る必要があります。電気自動車を所有していない人が、EV充電器は意味がない、損をしたなどと感じないよう十分な説明をしたうえで決議を通すことが重要です。
補助金を利用して経済的負担が少ないこと、EV充電器設置マンションとして資産価値の向上などメリットを理解したうえで提案しましょう。
設置方法を決める
現在、分譲マンションには主に、個別設置型またはシェア型のどちらかの形式が導入されています。個別設置型は占有区画に充電器を設置し、個人専用としてEV充電器を利用します。一方シェア型は、集合住宅の共有スペースに充電器を設置しているため、居住者同士がシェアして利用できます。シェア型の場合は、自分の駐車スペースとは別にEV充電器が置かれるため、充電する際はおのおの車を移動させる必要があります。
個別設置型とシェア型にそれぞれ特徴があるため、メリットとデメリットの両方を理解したうえで決定することが大切です。
EV充電器の種類を決める
EVの充電設備は、普通充電と急速充電の2種類から選択します。さらに普通充電には、壁掛け用コンセントと充電スタンドタイプなどいくつか種類があるため、設置場所やレイアウトに合うものを選ぶ必要があります。
普通充電は、3kwか6wkにするかで使用する電力が変わります。マンションにある予備の電気はそれほど多くないと考えられるため、6kwを選んだ場合は新たに電気を引き直す可能性があります。
また、仮に駐車場の貸し出しに使うことも考えたら急速充電の方が向いていることも考えられます。そのため、将来的な展望もふまえて、何を選ぶべきかマンション全体で協議しながら決めることが大切です。
マンション・アパートにEV充電器を設置する際の注意点
ここでは、マンションやアパートにEV充電器を設置する場合に考えられる問題と注意点を解説します。どのような視点をもって設置について検討すればよいのでしょうか。
マンションには、マンションに適したEV充電器の設置方法・種類があります。マンションの特性により変わりますが、たとえば将来的に外部の人にもEV充電器を利用してもらう場合はセキュリティの問題が出てくる可能性があります。EV充電器を設置することで生じるさまざまな課題を想定し、丁寧に議論しながら合意を得る必要があります。次では、実際の注意点を詳しく解説します。
他の住民からの合意が必要
マンションのような集合住宅に充電器を設置するには、管理組合や他の住民からの合意を形成することが必要不可欠です。分譲住宅は共有部分に対して、住民それぞれに所有権があります。共有部分の内容を変更するには、管理組合の総会で合意を取る必要があります。設置にかかる費用や期間について説明するとともにメリットを伝え、賛成を得る必要があります。
電源や設置スペースを確保しておく
あらかじめ現地調査をおこない、電源やスペースを確保しておくとスムーズです。充電力を確保しておくために、契約電力や消費電力を調べておきましょう。
EV充電専用でないコンセントを無理に使用すると漏電や火災の危険があり、電流過多でブレーカーが落ちることもあります。マンションやアパートではブレーカーが落ちて停電になった場合、トラブルに発展しかねません。トラブル防止のためにも、電源や設置スペースは確保しておきましょう。
費用や運用ルールをあらかじめ決めておく
マンションにおけるEV充電器の設置は問題が発生しがちですが、あらかじめどのような点に注意すべきか理解しておくことが大切です。住民全員の理解を得ることが必要となるため、費用の負担方法や運用について納得できるプランを話し合っておきましょう。
マンション・アパートにEV充電器を設置するメリット
今後マンションやアパートなど集合住宅において、今後EV充電器を設置することは当たり前となるでしょう。世界的に電気自動車の普及が進み、充電器の設置を義務化する国も出始めており、日本でも普及促進に積極的な取り組みがみられます。
時代の流れからも、今からEV充電器を設置するとさまざまなメリットが得られます。次は、EV充電器を設置するとどのようなメリットが得られるのか具体的に解説します。
電動自動車の普及に伴い資産価値に影響する
今後さらに電気自動車の普及が進めば、自宅で普通充電が行える環境が必要と感じる人が増える可能性は高いです。ただし、充電器が設置されているマンションやアパートはまだ少なく、電気自動車を所有している入居者は必然的に充電器が設置されている住宅を選ぶでしょう。
EV充電器が設置されていると、不動産の付加価値として活用できます。EV充電器が設置してある場合は、将来的に不動産の資産価値向上につながります。環境への関心から電気自動車の普及にともない、これからEV充電器はマンションに必須の設備になるでしょう。そのとき、EV充電器の設備があるのとないのとでは、資産価値に大きく影響します。
将来的な空室対策に繋がる
日本は、これからますます人口減少が進むといわれています。しかし、電気自動車人口は環境問題の関心から、これから急激な成長が予想されています。電気自動車を所有する方やこれから購入を検討している方を呼び込むには、早期のEV充電器の設置が必要不可欠になるでしょう。
EV充電器を設置している集合住宅はまだ少ないため、ほかの物件との差別化を図れて、将来的な空室率対策につながります。電気自動車の購入費用を補填する補助金制度や税金の減免制度など国の政策もあるため、これから所有者は右肩上がりに増加することは明らかです。EV充電器の導入による空室率対策は、確実性の高い施策といえるでしょう。
まとめ
マンションにおけるEV充電器の設置は、あらかじめどのような点に注意すべきか理解しておくことが大切です。
マンション駐車場の状況をはじめ、電気容量や充電器設置台数、場所など、マンション全体の意見も聞いたうえで理事会やオーナーへ要望を出しましょう。住民全員の理解を得られるように、補助金の活用や導入による物件価値向上の可能性や電気代の負担の仕組みなどしっかり調べておくとスムーズです。とくに、費用の負担方法や運用については全員が納得できるプランを話し合っておきましょう。
まずは、短期間で進めようと思わずにスケジュールを立てて、丁寧に話し合いを進めます。さまざまな状況を想定して管理組合全体で学びながら話し合い、最終的に合意を得てEV充電器を導入できれば、マンション自体の資産価値を上げることにもつながります。実際、約3か月程度で設置や事業者まで決定するマンションがほとんどといわれていますが、なかには将来を見据え、数年かけてEV充電器を効果的に導入している管理組合もあります。
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